3日間にわたり延べ200人が集うにいたった『麻糸博覧会』の開催報告・第2回目です。テーマは「近現代のものづくりとヘンプ製品」。

その1「自然布のなかの大麻布」はこちら:

【麻糸博覧会】開催報告その1:自然布のなかの大麻布


担当は、麻福・北村。現代の麻製品として、近現代のものづくり手法にあわせて、素材を展示しました。ねらいは、『ものづくりの手法によって多様に変わる天然繊維=ヘンプの素材感』です。

 

展示は大きく、「糸」「生地」「加工」「製品」に分けて。

「糸」では、紡績工程につくる「スライバー」の展示から、その紡績工場の模様を写真で紹介。その他、複数の糸を撚り合わせて1本の太くて丈夫な糸に仕上げる「撚糸(ねんし)糸」や紡績工程にできるスライバーや落ち綿を用いた「手紡ぎ糸」、さらには、「工業的な手紡ぎ糸(ストロングツイスト糸)」などを展示しました。

 

「生地」コーナーでは、織りと編みに分けて展示。織機とその機械によってできあがる素材という展示をしてみました。

こぎん刺しコースターWSとの連携展示。刺しゅう布は、9本撚糸した麻糸を、100年前のトヨタY式織機で端正に織り立て藍染めを施しました。

日本独自(1874年)の紡績技術「がら紡糸(オーガニックコットン素材)」とのコラボレーション布。

麻福で人気の手ぬぐい小幅生地も。注染を施し、あずま袋にして展示しました。

 

編み物では、横編みや丸編みの素材感。最先端コンピュータ横編み機『ホールガーメント機』で編んだ無縫製セーターなども展示しました。

 

加工では、「起毛」「撥水・難燃」など。無数のニードル(針)加工のデニムなども特徴的で関心をお寄せいただきました。

 

「製品」コーナーは所狭しと展示。麻福とご縁いただいてるブランドさんの作品を展示しました。

atelier Bourgeons

フランス在住の日本人デザイナー 真鍋実恵さんの作品です。帰国前夜に足を運んでくださいました。

真鍋さんはフランスではオートクチュールのお古などハギレやデッドストック布を再利用して創る、メイドインフランスの1点ものを展開されていますが、このたび、新しいラインナップ『良質な日本素材による日本製造品』を手がけることを決意、その1アイテムとなるヘンプデニムのスカートを麻糸博覧会にて初めて公に発表するに至りました。

ヨーロッパ在住ならではのデザイン感覚で、日本人の体型にも合うユニヴァーサル・デザインが施されています。

【参考Web】
ブランドWeb: http://atelierbourgeons.com/
Fragments紹介記事:http://www.fragmentsmag.com/2017/07/atelier-bougeons/

写真右の女性がデザイナーの真鍋実恵さん。一番右の作品がヘンプデニムの新作トリックデニムスカートです。

販売価格は31,950円+税ですが、受注生産の場合は特別価格22,365円+税。今月いっぱい注文受付中とのこと。お求め希望の方は、ひとまず麻福までご連絡ください。

 

ハハ

東京・吉祥寺の専門学校「二葉ファッションアカデミー」のオリジナルブランドです。本年3月「Amazon Fashion Week TOKYO」での2018年A/Wの新ラインナップにヘンプ素材を採用くださいました。

テーマは「ワンダーフォーゲルクラブ(野外活動部)」。ユニヴァーサルデザイン(ファスナーにより前後を完全分離でき、着る人にとって必要な要素を前後で組み合わせることが可)にヘンプが組み合わさり、新しいアウトドア・ファッションを彩りました。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

・ハハ 2018年秋冬コレクション – オールインワンが包括するアウトドアの過去・現在・未来
https://www.fashion-press.net/news/38314

Amazon Fashion Week TOKYO でのファッションショー模様。

左から2番目がハハの作品です。二葉ファッションアカデミーさんには、マネキンも拝借しました。ありがとうございました。

「ハハ」は二葉ファッションアカデミーの学生と八王子産地をはじめとする商業界との、産学協同によるプロジェクトです。産地の活性化と、若い学生ならではの斬新な発想で、新しいユニバーサルファッションを作り上げることを目的とし、 2013 年にブランド設立。今年で 5 年目を迎えます。 http://ha-ha.tokyo/

 

Rassie

ヘンプデニム生地を仕立ててくださったのは坂本デニム株式会社。

坂本デニムは、世界一、環境にやさしい工業染色に取り組んでいらっしゃるインディゴ染色工場です。世界に誇るデニム産地”三備地区”で織り立てていただいております。

【坂本デニムさん】ヘンプデニム生地にみる日本の飽くなき『ものづくり』

 

その坂本デニムさんが手がけるイヌ用デニムグッツブランドが『Rassie(ラッシー)』です。地球にも、人にも、ペットにもやさしいヘンプ素材を積極的に採用してくださっています。

・Rassieについて
https://l074043dekopon.jimdo.com/

坂本デニム(株)のイヌ用デニムブランド『Rassie』と滋賀県麻織物工業協同組合が手がける大麻布ブランド『RassieAishoasamalu(アイショウアサマル)』のシャツ。

 

Aishoasamalu(アイショウアサマル)

滋賀県・琵琶湖の東「湖東地域」は室町時代より麻織物の名産地でした。とくに、江戸時代の「高宮布」、そして、「近江上布」は国の伝統的工芸品に指定されています。

100年前の大麻糸に触れてタイムスリップ

Aishoasamaluは、滋賀県麻織物工業協同組合が手がける大麻布ブランド。伝統の良さを守りながらも、新たな取り組んでいらっしゃいます。広く多くの人々が麻織物の良さを知り、日常的に使うきっかけになっていくことが、国伝統的工芸品「近江上布」を守っていくことにも繋がるとの考えから展開されています。

この『伝統の良さを守りながら、日常に普及させていく』試みが、麻糸博覧会で探るべき未来の麻製品のかたちを具現化しているとも思います。

なお、糸は「麻世妙」の糸を用いていらっしゃいます。

日本人の生活に欠かせなかった大麻布

 日本では古来、「麻」には大麻と苧麻とがありました。一般的に、大麻は苧麻に比べ荒く品質の劣るものと思われてきました。実際、野良着など日常的なものには大麻が多く使用されていました。

 江戸期、日本四大麻布ともいわれ、上質の麻布を産する越後縮、奈良晒、薩摩上布および近江(高宮布)のうち、近江(高宮布)を除く三産地では大麻が使用されることはありませんでした。その中でも近江(高宮布)は、経糸、緯糸ともに大麻が使用されている例が多く見受けられます。

 特に「白高宮」とも呼ばれる白布においてはほぼすべてが大麻です。晒すと苧麻布よりも柔らかい風合いを出す大麻の特性を生かすことを意図したものでしょうか。良質な材料と高い技術力によって、大麻を用いながら、細微で光沢があり、品格を持つものにまで仕上げられたものが高宮布といえるでしょう。

 江戸期、年間数十万反以上の生産量を誇った高宮布でしたが、明治十年頃以降、紡績糸の導入など近代化によって麻布生産の産業構造が大きく変化し、高宮も集散地としての機能を閉じることとなりました。そして、高宮布もいつの頃からか人々の記憶から消えていきました。

 速乾性・保湿性・耐久性が良く、しかも柔らかい大麻布の特性を現代に甦らせたい。それが実現したのが自然布の研究家である吉田真一郎氏が一昨年開発に携わったファブリックブランド「麻世妙(まよたえ)」です。その「麻世妙」の糸を使用した”Aishoasamalu”がこの度、近江の地の技術が融合し、今春新たに生まれます。

腕にかけているのがAishoasamaluのヘンプ100%ストール。つなぎ服スタイルのワンピースはヘンプアパレル『Santa Maria』。

 

Santa Maria

ヘンプアパレルブランド「Santa Maria」は吉村樹里を代表とする、アパレルのクリエイティブ集団です。

ヘンプという、快適で機能的な素材を、美しく立体的なシルエットの服に仕上げ、より多くの方に着て頂きたいという思いで活動を続けています。大阪からご出店いただきました。

『Santa Maria』のワンピースとAishoasamaluのヘンプ100%ストール。首元は麻福のヘンプ100%羽衣ストール。伝統的な日本家屋にも不思議と似合うヘンプをまとった金のマネキン。

Santa Mariaのデザイナー吉村樹里さん。作品は、和装ブランド『トリエ』さんの2018春夏の新作「ヘンプデニム着物」。トリエさんとのコラボで、制作は吉村さんが手がけました。

 

トリエ

おしゃれで気軽な和のファッション」をテーマに展開されている和装ブランド。2018年春夏の新作をヘンプデニム素材で手がけられました。Santa Mariaのデザイナー吉村樹里さんとのコラボ品です。

正式販売に先駆けての発表でした。受注開始は4月11日から。同日からはじまる新宿伊勢丹での販売催事でも展示販売されるそうです。ご関心ある方、ぜひ足をお運びください。

『伝統の良さを守りながら、日常に普及させていく』という思想はAishoasamaluと通じる部分があります。

トリエのデザイナー寺本幸司さん。大手和装メーカーにてMDを10数年経験後独立され、現在は年4回の展示会と百貨店での催事販売を中心に展開されています。

トリエ|おしゃれで気軽な和のファッション
http://officetorie.com/

 

菊屋

プレ開催で象徴的アイテムとなったヘンプ麻蚊帳は2Fフロアで展示しました。

あー氏ネット時代に向けた藍染め蚊帳については以下のページをご覧ください。

むかし~現代~未来に羽ばたく蚊帳(KAYA)、そして 麻製品。

 

そのほか、麻福で製品化検討中の新作も実はいろいろありました。また追って紹介してまいります。

 

会場では、各人思いのまま、ゆったりとした時間が流れていました。

 

洋間の販売コーナーも盛り上がりました!!

 

 

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